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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2024年 5月 15日号

▼日本経済は失われた30年から転換できるのか、激動の渦の中で期待と懸念が入り混じっています。高水準の賃上げなどで潮目が変わったとして、経済政策も保護政策から成長重視の政策へシフトしています。競争力のある企業に資本や労働力を集中する政策です。しかし中小企業の現状は、コロナの影響下での物価高騰や賃上げ・人材不足と難題が圧し掛かり、まだまだ悪戦苦闘の只中です

▼そのような中で目にするのが、「新陳代謝の促進」とか「成長を伴う事業再編」といった表現です。また、高水準の賃上げには中小企業が課題とも言われています。上から目線で「生産性の低い中小企業は再編すべきだ」というようにも聞こえます。多重下請け構造の中で難しい要求にも応え頑張っている中小企業、地域に根差し効率が悪くても生活者を支え続けている中小企業、そういう社会的価値はどのように評価しているのでしょうか。中小企業の立場で考えることが大切です

▼中小企業憲章には中小企業政策に対する政府の考え方が示されており、大きな転換期の今こそ生かすべきです。中小企業憲章・条例制定運動をなぜ提起したのか、私たちもその時代背景から学び直す時にいます。

「中小企業家しんぶん」 2024年 5月 15日号より


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